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某OMから依頼を受けました。IC-706(初代)は7MHzの送信周波数が7.0-7.1MHzだが、上限を7.2MHzまで拡大して欲しい、とのこと。
参考資料も公開されているようなので、お預かりしました。

アイコムの改造資料では、3Pのチップダイオードを追加するとのこと。こんなもの簡単に入手出来ません。
ネットで検索、PLLの周波数設定を変更するだけであり、スペースの都合でチップダイオードを採用したようなので、格好は悪いのですが、汎用ダイオードを使います。

問題の箇所は下の写真部、本当は左隣と同じ3ピンのダイオードですがパッケージ横幅がわずか1.6mmというトンデモナイ微小部品です。ハンダの盛ってあるランド(パターンは0.5-0.6mmくらいでしょうか。170211ic706-2
回路図とパターン図を見ると、ダイオード2本のパラレル接続です。カソードが右下のスルーホール穴に接続されているので、活用し、汚いながらもハンダ付けしました。
20W以下の細いハンダコテと拡大鏡は必須です。
*ダイオードの品番の下に(EUR、FRA、DEN等が記載されていますが、後述します)
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ハンダ不良とブリッジを確認、電源を入れました。改造前は、バンド境界になるとピッという音が鳴ってオフバンドを警告してくれますが、改造後は音が鳴りません。
7.1MHz以上でも送信可能となりました。
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さてメデタシメデタシ・・・・というところですが、実はバンド外でも送信可能になってしまいましたHi。
この点は、他のサイトで記載されているので、敢えてふれないことにします。

最後に、回路上のEUR、FRA、DENの記述についてです。
英文サービスマニュアルは、以下のように記載されています。

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FRA(フランス)は1.8・3.5・7MHzのバンド幅が規制されていたようです。
DEN(デンマーク)は50MHzが52MHzまでに制限されています。*4の5.000-5.200MHzはミスプリです。
通常の50.000-50.400MHzも54.000MHzまでの間違いでしょうね。

144MHzはヨーロッパでは146MHzまで、USAでは148MHzまで・・・とお国事情であれこれあるんですね。